【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法 NEW

2020.10.26
#コンテンツマーケティング#マーケティング#オウンドメディア#ペルソナ

1. そもそもペルソナ(persona)とは?

「ペルソナとは、製品やサービスの典型的な顧客モデルのこと。理想的な顧客が誰であるか、彼らの日常がどんなものか、抱える課題、製品やサービス購入の際にどのような意思決定を行うか、といった項目について詳細に人物像を設定していきます。」

ペルソナはもともと、UI(user interface)の専門家が使用していたもので、自社の製品やサービスを顧客がどのように利用しているかを理解するために活用されていました。現在では特にマーケティング分野で幅広く活用されていますが、本記事ではオウンドメディア戦略(中でも特にコンテンツマーケティング戦略)においての、ペルソナの重要性と作成手順、活用法を解説していきます。

2. ペルソナを設定すべき3つの理由

2-1. コンテンツマーケティングに成功しているマーケターの77%がペルソナを設定している

ペルソナを設定することの重要性を説明するには、下記のデータをご確認いただくことがもっとも早道でしょう。

コンテンツマーケティングが最も成功していると回答したマーケターの77%がペルソナを活用している
図1:コンテンツマーケティングが最も成功していると回答したマーケターの77%がペルソナを活用している
出典: Content Marketing Institute社

このデータは、 Content Marketing Institute社による2019年の調査結果で、

  • 自社のコンテンツマーケティングが成功しているかどうか
  • コンテンツマーケティング戦略の中でペルソナを作成しているかどうか

を質問した結果です。

グラフを見ていただくと、もっともコンテンツマーケティングに成功していると答えたグループの77%が、ペルソナを設定していると答えています。全回答者で見ると55%、あまり成功していないと回答した人は36%しかペルソナを設定していません。
また、あまり成功していないグループも、29%が今後ペルソナ作成することを検討していると答えています。

コンテンツマーケティングにおいて、ペルソナを作成することがいかに大切か、については こちらの記事でも解説いたしましたが、実際にコンテンツマーケティングで成功している人とそうでない人を調査データによって比較することによって、これほど明確に成否を分けている結果に驚く方も多いのではないでしょうか。

2-2.ペルソナは、あらゆるマーケティング戦略の中心に位置する

ペルソナは、あらゆるマーケティング戦略の中心に位置する
図2:ペルソナは、あらゆるマーケティング戦略の中心に位置する

コンテンツマーケティングに限らず、マーケティング活動においてもっとも重要なことのひとつは、「一貫したメッセージを顧客に発信していくこと」です。

関連性のある一貫したメッセージをもって、顧客と対話し続けることができなければ、顧客の信頼と興味を失ってしまうことになりかねません。一度失った信頼と興味を取り戻すのは非常に難しいことでしょう。

だからこそ、どんなマーケティング活動においても、関係者全員が共通認識をもって顧客と接することができるように、ペルソナを設定して関係者間で共有しておくことが重要なのです。
ここでいうマーケティング活動というのは、なにもオンラインマーケティングだけを指しているわけではありません。オンライン・オフラインを問わず、また営業部署やカスタマーサクセス部なども同様に、ペルソナを共有することができれば、組織全体が同じ方向を向いて相乗効果を高めることも可能になります。

2-3.ペルソナが、コミュニケーションやコンテンツの「質」を左右する

コンテンツマーケティングを実施するのであれば、コンテンツの「質」は非常に重要な課題です。
誰もが質の良い、有益なコンテンツの制作を目指し、ありとあらゆる手段を用いて顧客の興味を惹こうとしています。その際に指針となるのが、ペルソナです。
次項で解説いたしますが、ペルソナを作成する過程においては、さまざまな手段を用いて顧客のことを理解することにフォーカスしていきます。「顧客がなにを望んでいるか?」を徹底的に深堀していくのです。

なぜ? どのように? なにを?
を明らかにしていくことで、最適なメッセージ訴求方法を見つけ出します。

コンテンツ制作においても、ペルソナによってターゲット顧客を深く理解することで、「なんのために」「どうやって」「なにを伝えるか」を導き出すことができます。そしてそれによって、顧客にとって有益で価値のある、質の高いコンテンツ作りが可能になります。

メッセージやコンテンツの「質」が、いかに売上を左右するか?という点については、マーケターにとっては周知の事実だと思いますが、ここで改めて、あまりにも有名なTEDx Talks を掲載しておきます。メッセージの質が売上を左右するという点において、これ以上の説得力を持つコンテンツを知りません。この動画を見た人なら、「ペルソナを作るなんて、意味がない」とは言わないはずです。

なぜから始めよう ― 優れたリーダーはいかに行動を奮い起こさせるか | サイモン・シネック | TEDxPugetSound

3. ペルソナを作成するための5つのステップ

ペルソナを作成するための5つのステップ

ペルソナの作成手順をご紹介する前に、ターゲットとペルソナの違いについて、少しご説明しましょう。
ターゲットとは、年齢や性別、属性などの大枠で顧客をグルーピングしたものです。それに対してペルソナは、趣味や思考、行動パターンや抱えている悩み・課題について、あたかも存在しているような人物像を作っていくことで、顧客のインサイトを把握します。
ペルソナを作成していくにあたっては、この2つの違いについて理解をした上で進めていきます。

(表1)ターゲットとペルソナの例

3-1. <STEP1>ターゲットの優先順位を決定し、優先すべきターゲット層を絞り込む

ペルソナを作るために、まず最初に行うことは、ターゲットの絞り込みです。
まだペルソナを設定していない企業でも、ターゲットが誰なのか?については答えを持っていることでしょう。
しかし、ペルソナを持っていない企業の場合、このターゲット層が非常に幅広いことが多い印象です。「ターゲットはすべてです。」という回答も頻繁に耳にします。

もちろん、製品やサービスの販売を行う際に、ターゲットを絞りたくないと考えることは、マーケットの広さを考えれば当然です。ターゲットがすべてであることが問題なのではなく、すべての人に刺さるメッセージやコンテンツは存在しないという点が問題です。いえ、正確には、「すべての人に向けたメッセージやコンテンツは、誰にも刺さらない」という点が問題なのです。

そのため、もっとも優先すべきターゲットを選定し、さらにその中で理想的な1人の顧客をペルソナとして設定することが必要です。その上で、その人に向けて語りかける必要があります。

しかしもし、本当にターゲットALLなのであれば、それでも良いのです。
その場合は、ターゲットをセグメントしていき、各セグメントごとにペルソナを作成することが必要になります。そして、ペルソナごとに、個別のコンテンツを発信していく必要があります。

ただ多くの場合、一度に数多くのペルソナを設定し、それぞれに刺さるメッセージを開発し、さらにそれぞれの課題を解決するためのコンテンツを用意することはリソースの問題で難しいと思います。

これからペルソナを作る場合は、まずは1つ、もしくは2つのペルソナにフォーカスすることが、結果的に効率的に成果を上げることにつながります。1つ、2つのペルソナを元にオウンドメディアやコンテンツを作成し、成功パターンを見つけた後に、ペルソナを増やしていけばいいからです。
では、どのようにしてターゲットの優先順位を決めていけばいいのでしょうか?ポイントは5つです。

  • 有効な規模かどうか
  • 強すぎる競合が存在しないかどうか
  • これからニーズが増えそうかどうか(成長性)
  • コンテンツマーケティングのためのペルソナ設定の場合、オンラインで獲得できる層かどうか
  • 影響力があるかどうか(波及効果)

以上の5点について、ターゲット層それぞれを評価していきます。そうすることで、もっとも優先すべきターゲットはどの層なのか、が明確になっていきます。

仮に上記の基準をもとにしてもターゲットの優先順位が決定できなかったとしたら、その際は、この5点+「社内に協力者が多いかどうか」も判断基準に含めてもいいと思います。しかしこの基準は、本質的な基準で優先度を決めているのではなく、作成者都合を判断基準に含めることになりますので、どうしても、というときだけ使用することをオススメします。

3-2.<STEP2>ターゲットの中で、理想的な顧客の属性を決定する

<STEP2>ターゲットの中で、理想的な顧客の属性を決定する

優先すべきターゲットが決定したら、ようやくペルソナ作成を進めることができます。
まずは、決定したターゲット層の中で、理想的な顧客の属性を決めていきます。
その際の項目としては、氏名・年齢・勤務先・職種・年収・居住地・勤務先所在地・興味関心などから考えていきます。しかし、もっとも重要なのは、以下の3点です。

【目的・ゴール】ペルソナが貴社の製品やサービスを利用して、なにを達成したいと考えているか

例えば貴社がMAツールを提供するBtoB企業だと仮定した場合、ペルソナのゴールは、「MAツールを導入することによってマーケティング業務の自動化を行い、効率化することでリソースを削減したい。またそれによって、リソース不足で実現できていなかった施策を実行し、売上を向上させたい。」などが考えられます。

【課題とそれによって起こる問題】目的やゴールが達成されていない原因と、具体的にどんな不都合があるか

これらは、目的やゴールの裏返しになります。上記の例を使って説明すると次のようになります。
「非効率な業務フローが原因で、新しい施策を実行することができないだけでなく、各施策に対して十分な効果検証もできていない状態で、思うように成果が上がらない。さらに競合企業が次々とキャンペーンを行なっていて、自社の顧客が取られている状態。このままでは目標売上を達成できず、自分の目指すキャリアプランも達成できなくなるのでは…」

【業務上、購買においての役割】BtoB企業の場合は必須項目。

BtoCの場合は、購買に関わるのは多くの場合自分一人です。それに対してBtoBの場合は、購買活動に関わる人数は年々増える傾向にあります。( 参照)設定するペルソナが、マネジメント層で自身に決定権があるのか、一般社員で複数の上司の承認を取る必要があるのかによって、ペルソナの購買における行動は大きく違うはずです。
また、業務上でペルソナがどんな役割を果たしているのか、どのようなKPIを追っているのか、などを知ることで、より広い視野でペルソナの抱えている課題や目的を深掘りすることが可能になります。

上記3点に共通して言えることですが、これらを設定する際は、「コスト削減」「収益増加」「リソース不足」などと、項目のみを記載するのでは意味がありません。より詳細に記載していく必要があります。詳細に記載していくことによって、SEOのキーワード対策を実施する際の、目標キーワードを探すヒントにもなります。

STEP3では、よりペルソナのことを深く知るための手法について解説します。

3-3.<STEP3>ペルソナの感情・行動・課題について「なぜ?」を深堀する

<STEP3>ペルソナの感情・行動・課題について「なぜ?」を深堀する

この段階では、STEP2で定義していった内容を、さらに掘り下げていきます。
その際に、ペルソナ作成者の想像で深掘りをすることはできません。仮にできたとしても、それは思い込みの可能性があり、精度の低いペルソナになってしまいます。
また、STEP2で記載した内容は、まだ仮説の段階ですので、このSTEP3で裏付けを取っていきながら、内容の掘り下げとともに修正も行なっていきます。

◆方法1:営業など、ペルソナと直接接する人にインタビューする

社内で、もっともペルソナに近い人にインタビューを行う方法です。それは営業担当者の場合もあるでしょうし、カスタマーサクセスやカスタマーサポートの人かもしれません。いずれにしても、ペルソナと日頃会話をしている人に質問を投げかけます。

◆方法2:統計や調査データを活用する(BtoCの場合はSNSも活用できます)

2つ目の方法は、定量・定性調査データをもとにペルソナを深掘りする方法です。有料の統計データを購入する、Webサイトを分析する、自社のターゲットに対してアンケート調査を実施する、などの方法です。これに加えて、特にBtoCの場合などは、SNSを調査してペルソナの投稿を定性的に分析することもできるでしょう。これらのデータを組み合わせて細かい統計を作成していけば、仮説として立てたペルソナの定義を検証することができますし、新しい発見を得られるかもしれません。

◆方法3:直接ペルソナにインタビューする

上記で2つの方法をご紹介しましたが、もっとも近道で確実なのはこの方法です。何人かのペルソナに直接インタビューを行う方法。しかしそれにはSTEP2で想定したペルソナにぴったりな人を見つける必要があります。

その方法は以下のようなものです。

  • 既存顧客の中から協力してくれる人を探す
  • 見込み顧客の中から対象者を探す。この場合は、自社のハウスリストを使ってコンタクトを取ります。
  • 社員の人脈からの紹介
  • リサーチ会社へ依頼する

などが考えられます。いずれにしても、協力していただくに当たって、何かしらのベネフィットが必要です。決してセールスが目的ではないことを理解していただき、相手の都合に合わせてセッティングする必要があるでしょう。

また、どの方法でも同じですが、ペルソナの感情や行動、課題を掘り下げて行くためには「なぜ?」と質問を重ねていくことで徐々に情報の深度が深くなっていきます。そうやって質問を重ねながら、本質や動機を見つけていくのです。

⇨インタビューの際に役立つ、『ペルソナ作成を助ける30の質問』をでご提供しています。BtoB企業のペルソナを完成させるためのテンプレートも同梱していますので、ぜひご活用ください。

3-4. <STEP4>理想的な顧客(=ペルソナ)の人格を形成していく

<STEP4>理想的な顧客(=ペルソナ)の人格を形成していく

この段階では、いままで集めたペルソナについての情報をまとめながら、ストーリーを完成させます。
ペルソナは「あたかも存在するかのような人物像」を作り出すことが重要です。STEP2でもご説明しましたが、箇条書きの状態ではうまく人物像をイメージすることができないと思います。特に調査データなどから取得した情報は無機質なものになりがちですので、感情やストーリーを肉付けしていく必要があります。その際には、ペルソナの一人称で、状態ごとにどういう感情を持っているか、も含めて情報をまとめていきましょう。

3-5.<STEP5>完成したペルソナを精査する

ペルソナが完成したら、まずは営業やカスタマーサポートなどの人に見てもらいましょう。作成したペルソナが、直接顧客と接している人の印象に近いかどうかを確認します。違和感があるようであれば、STEP3に戻って再度情報を集める必要がありますが、問題がなければ、この時点で一旦完成です!

しかしペルソナは、一度完成したからと言って、これが100点のものになっているとは限らないものです。
そのため、作成したペルソナをもとに施策を実行し、その結果検証を経て、どんどんアップデートしていく必要があります。そうすることで徐々に、本来の意味で完成に近づいていきます。

⇨BtoB企業のペルソナ作成に役立つテンプレートはでご提供しています。

4. コンテンツマーケティングでペルソナを有効活用する方法

せっかく作ったペルソナも、うまく活用できないというお話を聞くことがあります。しかしペルソナは、うまく使えば、マーケティング戦略に大きな影響を与えることができます。ここでは、ペルソナを最大限に活用するためのポイントをいくつかご紹介します。

◆ポイント1:集客のためのキーワード選定

詳細で具体的なペルソナには、SEO対策に役立つキーワードのヒントが隠されています。特に、課題や問題、目的からはロングテールキーワードを見つけ出すことができるはずです。キーワード戦略については、別記事でご紹介(近日公開予定)いたしますが、その際にもペルソナが非常に重要な役割を果たします。
キーワード戦略についての解説は近日公開予定

◆ポイント2:デザイン

オウンドメディアやLPなどの制作の際は、ペルソナの特徴に合ったトンマナで作成する必要があります。例えばスタートアップ企業で働く20代のエンジニアに向けてのデザインと、金融業界で働く50代のベテラン社員に向けてのデザインは全く異なります。金融業界で働く50代の人に向けて作成されたLPに、20代のエンジニアが訪れた場合、仮に内容が同じであっても、「これは私向けのサービスではない」と認識され、直帰を促します。それを防ぐために、ペルソナをもとにデザインを最適化していきます。

◆ポイント3:コンテンツ制作

ペルソナがもっとも強い影響を与えるのは、やはりコンテンツ制作です。

  • ペルソナの興味関心を引くためのコンテンツ
  • 課題解決のためのコンテンツ
  • 購買を後押しするためのコンテンツ

など、どのコンテンツを作成する際でも、ペルソナがコンテンツの質を大きく左右します。( 2-3章で解説)またコンテンツをいつ、どのチャネルで公開するか、という点の答えもペルソナに隠れています。これらの答えは、ペルソナによって異なるものです。複数のペルソナを作成した場合は、それぞれにパーソナライズ化したコンテンツを提供し、Webサイト上で出し分けを行うなどしてCVR(コンバージョン率)を向上させることもできます。
⇨より詳しい、コンテンツ戦略についての解説は近日公開予定

オンライン上では常に、情報が氾濫しており、その中で顧客は、自分が必要とする情報を探している状態です。しかし限られた時間の中で、いかに早く必要な情報だけを探し出すかが重要な現代では、顧客は自分向けに作られていないコンテンツに時間を割くことはありません。そのため精度の高いペルソナと、ペルソナをもとに作るカスタマージャーニーマップが重要になるのです。
⇨カスタマージャーニーマップの作成手法は近日公開予定

現在トランスコスモスでは、BtoBコンテンツマーケティング施策を成功に導くための「マーケティング講座」のうち第1回を無料で実施しております。全5回を受講いただくと、ワークショップによってカスタマージャーニーマップが完成します。

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